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待ち合わせはカフェで
正午少し前、オープンテラスのカフェにランバートはいた。
綺麗な秋晴れは日差しこそあるが夏の熱気はなく、風は少し冷たい秋風になっている。
ベージュのジャケットに、薄手の白いニットを着たランバートはここで約一時間、待ちぼうけを食らっている。
ハムレットが刺された翌日は、流石に動きたくなくて部屋でゴロゴロした。久しぶりに暇で、何をしようかと考えてふと、編み棒と毛糸を取り出した。そして、のんびりとファウストのセーターを編み始めてみた。
色はあえてのキャラメル色にしてみた。これを貰ったら、彼はどんな顔をするだろうかと想像しながら、着た姿を考えて笑ってみた。似合うだろうけれど、見慣れなくて違和感が凄そうだ。
ハムレットは今日の明け方に目を覚まして、状態は回復にあるらしい。まだ暫くは動かせないらしいが、とりあえず会話ができるそうで安心した。
栞を挟んだ本を手にして、紅茶を楽しんでいる。一緒にお願いしたカボチャの種の入ったクッキーは、既に皿の上にない。
今日はファウストとデートだけれど、出かけにファウストは呼び止められて先にここで待つ事になった。
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