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「2歳まではセレーネ先生がこのまま見守るので力が目覚めた場合はすぐにお知らせします。ただ、可能性は低いと思ってください。眠る力の大きさは今お渡しした資料を見てお判りいただけたと思います。むしろ小さい間に目覚めるのはよくない力ですからね。万が一お家で爆発したときは相殺玉を使ってください。帰りにご家族人数分お渡しします。6歳の次男君にも持たせてください。その時誰が傍に居るかわかりませんので。使用法は簡単なので賢い次男君なら大丈夫でしょう。<アンファン>で過ごしたことがある分、使っている様子を何度も目にしているでしょうし」
レクイムはフォーティスから資料を受け取るともう一度最初から読み直し熟読した。
2人は優秀なだけあり、こういった書類を読み、理解する速さには長けている。
レクイムは一瞬で全てを理解するとフォーティスを見た。
フォーティスが小さく頷き、微笑む。
レクイムはカルネに視線を移した。
「……説明を続けてもよろしいですか?」
先程の無礼な態度が嘘のように、目の前には礼儀正しく凛とした女性がいた。
レクイムは、資料を机に置くと「お願いします……」とか細い声で返事をした。
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