ウチの子は普通です

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「じゃあ、間違いないですね」 意外にも、レクイムが言った。 フォーティスは驚いて夫を見るも、彼の冷静な様子に頬を緩ませ「そうね」と同意した。 「……ですが、先程の態度は許せません」 レクイムは鋭い瞳でカルネを睨みつけた。 「私の考えを正そうとするためだったとしても、もう少し言い様と言うものがあったでしょう。流石の私でも大目に見るという心の広さはありません故、今後の貴方の立場についてはご覚悟をお願いします」 その場の空気が氷点下まで下がった。 フォーティスは青ざめるも、こうなった夫を収めるのは不可能らしく沈んだ様子で項垂れた。 ナタに対しての不安が全て消えた今、侮辱されたまま終わる彼ではない。 メモを終えたセレーネもレクイムとカルネを交互に見て落ち着けない。 <カ……カルネ先生> セレーネが思わず思念を投げると、カルネは横目でセレーネを見、薄っすらと口角を上げた。 そしてセレーネとカルネの間を虫を払うような仕草で軽く手を振った。 その瞬間、張った糸が切れる音がして、思念を繋げていた糸をカルネが切ったことにセレーネは気づく。 カルネはもう一枚の白紙の紙を冷ややかな視線を投げ続けるレクイムの前に差し出した。 「今更弁解をしても遅いですよ。貴女の失礼な態度は私の頭にしっかり残っています」 レクイムは紙を一瞥した後、一切を受け付けない声音で言った。 それに対し、恐れる素振りを見せず、むしろ微笑むカルネはまた紙をとんとんと指を叩いた。
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