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遊び相手は魔物
子どもは好奇心が多い。
けれども何が悪で何が良しかは全くわかっていない。
教えないとわからない。
それは大人でも同じことである。
どれが危険で、どれが安全か。
その良し悪しを教えるのが先生の大事な役割でもある。
勿論、危険の少ない場所を提供するのも。
「はい、今日は施設の子どもたち全員で純白魔族の動物たちと遊びます。わかっているとは思いますが、暗黒魔族の討伐対象魔物とは違いますので絶対に攻撃魔法はしないように。とても優しい魔物ですが、攻撃されたら反射的に攻撃し返してくるかもしれませんからね。後、召喚魔法をするとこれだけ魔物がたくさんいる魔力の濃い場所だと暗黒側が出てくるかもしれないので決してしないように。まぁようするに魔法は一切使っちゃだめってこと。もし使ったら――――」
淡々と説明していたカルネの瞳が赤く光る。
カルネの背後に全身真っ赤な皮膚の巨大なゴブリンが棍棒を持って現れ、大口を開けて鋭い牙を見せた。
「わかるわね?」
カルネが微笑むと、赤ゴブリンがにたぁと気味の悪い笑みを浮かべた。
「「「「はい」」」」
話を聞いていた子どもたちはガタガタと震えながら返事をした。
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