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名前も名乗らない男に不信感を抱きながら、ベットの横に脱ぎ捨てられている昨日の洋服を拾い集めて着る。
どうしてこうなった?
記憶を引き出そうとしても、二日酔いの頭に響くだけで解答はでてこない。
とにかく、ここから脱出しなくては。
どこのホテルなのだろうか。
キングサイズのベッドなんてラブホか?
しかし、とても品のある装いでホテルらしいかというとそうでもない。
「こ、ここは?」
男は裸にソファに引っ掛けてあったバスローブを纏った。
「本当に覚えていないの?」
「は、はい…。すみません。ごめんなさい。酒に飲まれてました。」
「はぁ、なんだー。せっかくセフレが出来たと思ったんだけどなぁ。酒の力かぁ。」
男は少し寂しそうにした。
そのとき、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
「おはようございます。社長、朝一から会議がございます。支度をなさってください。」
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