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4月22日
入学式から2週間が経っていた。
高校生になり、新しい友達・・・はまだできていないが、中学からの親友、秋元潤一(あきもと じゅんいち)と同じクラスになれたおかげで、ボッチは逃れた。友達は増やしたいとは思っているが、高校生活に不満はない。
昼休み、俺は潤一といつものように机をくっつけて一緒に弁当を食べながら会話をしていた。
「彩加ー今日の放課後、GEO(ゲオ)によっていってもいいか?新しいゲームの発売日でよー」
今日の潤一はゲームの発売日ということもあって、とてもハイテンションだ。
放課後、潤一とよく寄り道をして帰る。二人は、特にこれといった部活をしていない、いわゆる帰宅部だ。なので、放課後は時間がある。
「あぁ、いいよ。俺もそのゲーム買おうと思ってたし」
俺は笑顔で答えた。
「彩加も買う気になってくれたのか!よし、決まりだな。いや?本当楽しみだ!」
潤一に前々からそのゲームについて聞かされていたため、興味が出てきたのだ。
俺と潤一は大のゲーム好きである。普段の二人の会話も7割以上がゲームの話。俺はゲーム以外にもアニメや漫画が好きだけど、潤一はそこまでらしい。同じゲーム好きってだけで充分なので、アニメや漫画に無理して興味を持ってもらいたいとは思っていない。
潤一にはとても感謝している。潤一がいなければ、ボッチ確定だっただろう。また、友達ができていたとしても、ここまで楽しい高校生活を送ることはできなかったと思う。高校生活が始まってまだ間もないが、常々そう思う。
放課後、俺と潤一はGEOでゲームソフトを一つずつ買い、帰り道を歩きながら、ゲームの話をしていた。
「早く帰ってゲームやりてーな」
潤一は楽しみなあまりいつも以上に落ち着きがないが無理もない。このゲームは半年前に発売が決定し、今日までずっと楽しみにしていたのだ。
俺も早くゲームがしたくて仕方がない。
「今日はオール確定だな」
俺は満遍の笑顔で言った。
オールとは朝まで寝ずに何かをする、いわゆる徹夜というものだ。ゲーム発売日や休日前、テスト前などにもよくオールをする。
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