第1章

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 俺には誰にも知られたくない趣味がある。それは小説を書き小説投稿サイトにアップする事だ。中二の頃から書いていて、今までに50本ほど書き上げた。小説のジャンルはバラバラで、学園モノのラブコメだったり、厨二チックな異世界ファンタジーだったりといろんな小説を書いていた。その中でもファンタジーは特に得意で半分以上がファンタジーものの小説だ。  約2年間書いているので、書くことには自信があるが、将来小説家を目指しているわけではい。今となっては書き始めた理由やきっかけすら思い出せない。(たいした理由があるわけでもないのだけれど)今でも続けているのは単に楽しくてやめられなくなったからだと思う。なので、この趣味は、趣味のままにしておこうと思っている。  普段は、家で書くことが多いが、時々学校や、外などで書くこともある。学校では大抵潤一と一緒にいることが多いが、潤一以外の友達がまだいないということもあって、たまに委員会などで一人になることがある。また、授業中も先生の目を盗んで書くこともある。小説を書くタイミングは案外多く、良い暇つぶしにもなるのだ。    6時間目の授業と帰りのHR(ホームルーム)が終わった。部活をしている人達は部活へ行きそれ以外の人達は帰宅するためそれぞれ準備をして教室を出ていく。  俺も教科書などをしまい、帰る準備をしていると後ろから潤一に肩を軽く叩かれたので振り向いた。潤一は顔の前で手を合わせながら言った。 「悪りぃ、今日委員会があるのをすっかり忘れてた!だから、教室で、待っといてくれないか?」  委員会は前期と後期に分けられていて、一人一つ絶対に入らなければならない。前期の人は9月まで委員会に参加しなくてはいけなく、9月以降は後期の人が委員会に参加する。  活動日時は委員会によって様々で、毎週定期的に行うところもあれば、不定期なところもある。   入学式の翌日に委員会をクラスで決めた。人気度の高い委員会はジャンケンで決める。潤一はジャンケンに負け続け、一番不人気の美化委員になった。   美化委員会とは、校舎内や校舎付近の環境美化や、清掃用具の管理をする委員会らしい。美化委員会は不定期に集会が行われ三日前に集会の日時を伝えられるらしい。  
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