21章 愛し合ってるからこそ

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・ 俺の手が熟れたそこに触れ、晶さんは身を委ねるようにして足を開く。 タイツの伝線に指を掛けて裂け目をもっと広げる俺の首に、晶さんは腕を絡ませて唇に吸い付いてきた。 「……っ…夏希ちゃんの変態…」 「晶さんもね」 離した唇から吐息を漏らし、感じながら赤らんだ顔でそう口にした晶さんを覗き込む。 タイツをビリビリに破き、その生地から覗く生肌の艶かしさにそそられて、俺は厭らしく長い脚を撫で回した。 目を向ければもうそれは見るも無惨な有り様だ── でもそれがやけに興奮させる。破けたタイツを履いたままのセックスは、二人のラブタイムのスパイスとなってこれからも一役買ってくれそうだ。 そう思いながら俺は、可愛く唇に吸い付いてきてくれる晶さんを思いきり抱き締めてキスを堪能する。 躰の余裕ができた分、今度はゆっくりと愛を味わう行為に没頭する。 舌先を絡めてつつき合い、顔を離しては密やかに二人して笑みを浮かべ見つめあった。 こんな可愛い顔して俺とのデートを思い浮かべながら服を選んだんだろうか… その様子をすごく見たい気がして胸が疼く── 「ねえ、晶さん…」 「ん…」 「今度は俺と一緒に買い物行こう…」 「………」 「タイツ沢山買ってあげるから」 「………」 そう口にした企む俺の顔に、晶さんは微かに白い目を向けていた……。
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