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15.新展開(Side安原)
うきうきなテンションでみんなと一緒に歩いて寮到着!
今日も動画奉納します! これからすぐスか加賀谷さんっ? つー眼差し向けたのに、加賀谷さんは二階に駆け上がってった。
え? え? とか思ってたら他の皆さんも部屋に戻るとか風呂~とか言いながら上がってっちゃった。んで、俺は放置。
……あれ?
つーか俺、勝手に入って良いのかな? 加賀谷さんの部屋分かってるし、行っちゃってオケ? ダメかな? いいよね? とかって迷ったフリしたけど、デヘヘッとか笑っちゃいながら靴脱いで、階段上がるぞぉ~、つう勢いでいたらコウガミが戻って来た。
「あれ、なにしてんのおまえ」
「いやちょっと、神に動画奉納しねーと」
「なんだそれ」
プハッとかコウガミが笑って、バンバン背中叩かれてたら、コーチも来た。
「君、コウガミも撮ってくれたんだろ」
「はあ」
つーかコウガミ撮ってたんじゃねーよ。その向こうの神映像激写してたんだよ、と言おうとしたら加賀谷さんが降りて来て、ジロッと睨んで来るからトキメいてデヘヘになっちゃうよねっ! だって俺のこと見てるんだよっ!?
そんでコウガミに「大丈夫か」なんて声かけてる。眉間に皺寄せて。
ううう神々しい~~~っ! 次は俺? 加賀谷さん俺にもひとこと下さいっ! とか思ってたら、神じゃなくコーチがニコニコ話しかけてきた。
「いつも食事の後に君の動画見てるんだけど、時間あるなら今日は一緒にどうかな」
はぁ? なんておっしゃいました!? そんで……おおーーっ!
「……そんなことは聞いてません」
加賀谷さんビックリ顔! 神がかってカワイイじゃん!
「おまえが彼に言われて気づいたって言ったんじゃないか。どんな気づきがあったのか、俺も聞きたいんだよ。どうかな、戻るまで待っててくれるかな」
なんつったから当然「喜んで!」つった! そりゃそうでしょう! だって神と一緒の時間が長引くんだからさ!
「ありがとう。じゃあ後で」
つってコーチは玄関から出てったんだけど。
「あれ? コーチって寮にいるんじゃないんスか」
「すぐ近くに住んでる。家で食事してからまた来るんだ」
(そっか! 寮に入れなくても近くにアパート借りるとかアリか!)
とか考え進むアタマの片隅に、ちょい過ぎる『食事の後』のひとこと。つまり寮生じゃねえからメシとかねえわけで、腹減るかなあ、なんて浮かんだモノは
(……いやっ!)
すぐ打ち消す。
神を礼賛する時間のためなら俺、たとえ餓死しそうになってもギリまで耐えますっ!
とか覚悟して拳握りしめる。
「待ってろ」
いきなり加賀谷さんの声がしたと思ったら、返事する前にどっか行っちゃった。階段スルーして一階の奥の方に。てか素早い。すぐに姿が消える。てか部屋は二階だよな? どこ行ったんだろ。
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