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乙女ゲーみてーなイケメン顔の表紙。学園もの。こーゆーの読んだことなかったなー、とか思いながらパラパラめくると、エッチシーンがけっこうある。
「けっこうモロ描いてんな。……いいかも」
ちょっとワクドキしつつめくって読み込む。
そのうち出てきたシチュ、憧れの先輩、慕う後輩……テキトーめくってた手が止まる。
えっ、ちょ、コレ
「……き、き、……キッタァーーーッ! ミラクル発動ーーーっ!」
目の前に濃く漂っていた霧がパアッと晴れてく感じ。コレまさに俺と加賀谷さんのこと……じゃね?
「そうだよこういうのだよ……っ」
めっちゃ興奮! けど真剣に読む!
うんうん、キビシーコト言うけど、たまぁ~にデレるんだよねっ! ウンウン分かる! ドキバクするよね! おっ、先輩が後輩を気にし始めたぜっ! これこれ、コレ欲しかったやつ!
なになに? コレつまり、慕いまくる感じで先輩がカワイイとか思うっぽい?
え~~、なんだよ~~、そんなら超オッケじゃん俺? めちゃくそ慕ってるし、もう好きだって言ったし! てことは、わざとらしくカワイイ素振りとかしなくてイイって事なんじゃね?
んじゃもうちょい頑張ればっ……!!
そんな風に考えが進み、世界が一気に明るくなったような気分で他のも読んでいく。
「ふう~ん」
とか
「ねえよ、ないない」
とか
「おおっ、これがデレかあ」
とか
心が軽くなった途端にくちまで緩くなってきた。
色んなパターンあるんだなあなんて感心しつつ、徐々に近くなっていくこの感じ! これこれ、こういうの欲しかったんだって! なんてどんどんテンション上がってく。
つうかフツーに面白いよな、なんてページめくってたら、やけにキラキラしたイケメンが登場した。
顔もスタイルも良くて、頭も良くてスポーツ万能、女子にキャーキャー言われ、男子にも一目置かれてる。いねーよこんな高校生、つーのが。まあ加賀谷さんは別格だけど。
「この人ずいぶんキラキラしてんな~。けど加賀谷さんほどじゃねー。輝き足りねーつの」
主人公のメガネ男は反発してるっぽいけども、徐々に気持ちが変わってくってことかな? おお、タカビーなモテ男かと思ってたら、倒れた主人公の世話したりしてなにげに優しさ醸し、料理まで上手という完璧さ。
「へぇ~、スパダリつーんか、こういうの」
なんて思いながら読んでて、主人公が言った「ありがとう」に赤くなったりとか、ちょびっとデレる感じに……ハッとした。
「……こ、これ……っ」
渋い系のイケメン、スポーツも県内有数の強者な加賀谷さんは成績優秀だ。いつも厳しい顔してるし怖いこと言うけど、たまにデレたら超可愛い。コウガミの足を気遣ってた感じや、手料理食わせたりとか、なにげに優しいし……。
ドキドキしながら読み終えて、はぁ、と息を吐きだし、頬が赤らんで夢見るような視線を宙に遊ばせてる自覚無く、呟いてた。
「……これこそ……加賀谷さんそのものだ……」
と、いうことは! コレがスパダリってコトは! 加賀谷さんがスパダリってこと? だよね! つーことはスパダリの攻略法を極めれば……!!
「うまいこと可愛がって貰えるってコトーーーーーーっ!?」
思わず絶叫してた。
隣の部屋から「うるさい!」という妹の叫びと壁を蹴ったような音が聞こえてたが、スパダリの出てくるヤツ全部読んで傾向と対策を! と意気込み満タンだから聞こえない! いや聞こえたけども!
んだけど、ざっと調べただけでもスパダリが登場するBLマンガは星の数ほどあってクラッと目眩きた。
コレ全部読むとか無理じゃん? そこまで時間ないって! 神の鑑賞時間はぜってー減らせねえ、そんなしたらなんのためにやってんだか分かんねえじゃん!?
そこで閃いた。
こういう時はプロに聞こう!
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