第1章

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と挨拶し、前に座り持っていた桐の箱を開け、折りたたんだ2つの手紙を取り出し、一つを真一朗にもう一つをメイに渡したので、祖先から預かった手紙です、申し送り状に平成、 25年になったら、お二人に渡すように書いてあったのです、 敬二さんと同じで25年前に年号が平成になりこの年号を500年前の祖先が知っていなんて信じられない事なのに、昨日敬二さんから電話を貰い、本当の事だったんだとビックリした、 のです、これでやっと役目がはたせます、どうぞなにが書いてあるか読んで聞かせてくださいと幸一がいったのです、 まずメイが手紙をひらくと、メイ、この文をあなたが読んでくれるものと信じて書きとめました、あなた達がそちらの世界に戻ってから、伊織殿と婚礼を挙げ、江戸の屋敷で暮、 らしています、伊織殿も小倉藩の江戸家老として毎日奉公していますが、諸国巡察の為近々西国に下ります、そなた達との諸国巡察が懐かしくおもっています、真一朗殿といつまでも、 仲むつまじくして、元気な跡取りを生んでください、 また真一朗には伊織から、真一朗殿、貴殿に出会って、色々な事を学びました、わが小笠原藩にも蘭方、漢方を取り入れた医学所を開き広く学ばせています、すこしは町衆の役に、 たっているとおもいます、また念願かなって笑美姫と婚礼を上げる事ができました、毎日二人の話しをして懐かしんでいます、そちらに二人がもどられてすぐ親父殿が危篤になり、 いそいで熊本まで立ち返り、 なんとか臨終に間に合いました、私が行くのを最後の力をふり絞ってまっていてくれたのでしょう、会ったとたん、刀の鍔を真一朗殿に渡したかを聞かれ、間違いなく渡したと答え、 ると、そうかいま頃はそれを持って500年先へついているだろうと喜んでいましたよ、そして起こすようにいうので、そのまま寝ていてくださいというと、自力でおきあがり、 座禅を組みそのまま黄泉の国に旅立ったのです、親父殿らしい壮烈な最期でした、 メイ殿と仲むつまじく過ごしてくだされ、またこの時代に戻りましたら、是非たずねてくだされ、私達の子孫が何か困った事が出来たら、是非真一朗殿の策を授けてくだされと書いて、 あったのです、二人で読むと、皆が500年をさかのぼって着いた手紙ですね、ご先祖様が目の前にいるような気がしますと感激していたのです、
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