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2003年7月15日午後11時半深夜。ベッドの軋む音、女の喘ぎ声が聞こえて俺は目を覚ました。多分俺の父親と母親だろう。ここの所、最近毎日ヤってる声が聞こえる。いい加減うんざりだ。それに、俺の部屋は父さん達の部屋の隣。壁もそこまで厚くない。
「……っ…うるせぇ……。」
菅原城玖(すがわらきずく)、中学二年生。我慢の限界で、俺はベッドから出て父さん達の部屋に入った。ドアを勢いよく開けて。
「父さん、母さん!ヤってもいいけど、少しは声抑えろよな!?俺、明日も学校なのにうるさくて眠れないし、これじゃ寝不足になる…だろ………」
俺は驚きのあまり、声が出なくなった。ヤっていたのは、父さんと母さんではなくて父さんと見知らぬ女の人だったからだ。
「なんだ、城玖。俺達の声で目覚めたのか。すまんな。今いい所なんだ。」
「れ、蓮さんっ……あぁん!」
俺がまだ見ているにも関わらず、父さんとその女の人はセックスを続ける。もう、見ていられない。俺は父さん達の部屋を出て自分の部屋に戻った。そして布団を被って寝た。勃起してしまった股間を抑えながら。
「城玖、起きなさい。朝よ。」
「……ん。」
母さんの声が聞こえて、目を覚ますと母さんがいた。
「珍しいわね。城玖が時間になっても起きてこないなんて。」
「……ねぇ、母さん。昨日、どこにいたの?」
昨日のことを思い出すと、母さんがいなかった。どこにいたのか気になり、俺は尋ねた。
「あら、私は残業があって会社にいたのよ。朝食作りに戻ったけど……城玖に言ってなかったかしら?」
「あ……そうだったね…ごめん、すっかり忘れてた。」
だから…父さん、女の人連れ込んだんだ。このこと…母さんに言うべき?それとも……。
「おはよう、美織、城玖。」
気がつくと父さんが母さんの後ろにいた。
「あらあなた。おはよう。」
「美織は今日も綺麗だね。」
「やだ、もう!あなたってば、お世辞でも嬉しいわ。」
父さんは、美人だ。だから、女にモテる。昨日の女の人も、おそらく父さんの顔目当てだ。早く学校に行こう。父さんと母さんが話している隙に、部屋を出ようとした時、父さんに呼び止められた。
「城玖、少し話があるんだけどいいか?」
「え?えーと……」
俺が返事に迷っていると、父さんが耳元に近づいて口を開いた。
「嫌だとは言わせないぞ。」
「……っ!」
だめだ…言えない。一体…どうしたらいいんだ。
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