6/6
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
「え?ここら辺にいんの?」 「潜伏してる可能性があるって話だ!早く帰れ!」 「帰れったって…バス行っちゃったし…そもそもバスも運行すんなよ…」 「言えてる」 呑気な二人に徐々に苛立ちが募る男性は強引に二人の背中を引っ張り連れ去ろうとした 「ちょちょ、そんな無理矢理やめろおっさん!!」 「せめて一目だけ、すぐ帰りますから!ね!?」 「言うこと訊かねえガキどもが!来い!!」 「…ぐっ!しゃあねえ」 「オマワリさーん!通り魔だー!!助けてくれー!!」 突然叫んだアキトに、顔を真っ赤にしながら男性は手を離した 「なっ!?誰がだガキッ!!」 (今だ!!) アキトはセイと目配せしながら、同時に走り出した 「あっ!てめえら!戻って来い!」 遠くなる男性の声を二人は無視して走り去った 「あ、あれだ…!」 「あれか…」 湖の外れに、目的の穴を見つける二人 「…これ…一体どうやって…?」 「わかんねえが…不思議な穴だな。どうやったらこんな綺麗な形になんだよ」 それは、何かにえぐられたと言うより、何かが通過したような、綺麗な円形をした穴だった しかしそれよりも二人が気になったのは 穴の周りから漏れ出る何かだった 「…何だあれ」 「わからねえが…あれは…なんかやべえ気がしねえか?」 「…するな。得体がしれねえ…毒かな?」 「近寄らねえ方が良さそうだな…」 セイがそう呟くと同時に、アキトの足は前へと進んでいた 「…あ…アキト!?」 先程のセイの言葉が、頭に浮かぶ 退屈ーー それを吹き飛ばすなにかを 俺も、求めてんのか? 何もかもが満たされてる筈なのに 俺はどこかで… 非日常を…探している… ポゥッ… その【何か】に触れるアキト カッ!!
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!