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翌朝ーーー 「よし、んじゃあいくか」 セイが気合いに満ちた表情で迎えに来る 「眠いわ…」 眠気まなこの俺を熱い眼差しで見つめてくるこいつを殴りたい気分だった 「たまには早起きも大事だぞ!お前は寝過ぎなんだよ」 「眠いんだから仕方ねえだろ」 「そんなんじゃ仕事始まったら辛いぞ」 「やるときゃやるから大丈夫だよ」 「ふっ、まあお前はそうか」 「で、こっから青森まで何時間よ?」 「大体電車で4時間くらいだな」 「クソダッルいな」 「まあまあ、昼はラーメン食わしてやるから」 「もっとええもん食わせい」 そんなやりとりを暫し続けながら駅へ向かい電車に乗る俺達 「…なあ、セイ」 「ん?」 「そういやホノカが昨日言ってたんだが、空から人間が降って来たらしいぞ」 「なんだそりゃ」 「いや俺もよくわからんが…しかも生きてたんだってさ」 「もしかしたらそいつ…【魔力使い】か」 「…可能性あるよな」 この世には、不可思議な力を持つ人間がいるという 火を出したり、水を出したり、時を止めたり… にわかに信じ難い話だが… そして…全ての人間には魔力というものが備わっていてその魔力を使って不可思議な力を発揮するらしい だから【魔力使い】と呼ぶそうだが… 俺やセイも、中高で魔力学について一通りの教育は受けているが…そんな奴は見たことがない 噂によると創界の人らは魔力使いなんだそうだが、それも定かではない 「そんな力が使えれば…人生変わるな」 「ホントだな。まともに働くのはアホらしくなるぜ」 「金が出る力とかねえのかね」 「あっても邪念に満ちたお前には降りて来ねえよ」 「わかんねえじゃねえか!」 「…だがそんな力無い方がいいんだよ。平和が無くなるかも知れないだろ?」 ………そうか、そうかもな… 俺は電車の窓から外を見た 昼下がりの何気ない日常が流れてゆく …波風の無い生活が一番だな。やっぱ
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