第1章 -僕のおばあちゃん-

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「手紙??誰の??」 僕の手から受け取ると宛名も何も書かれていない封筒を不思議そうに見ている。 「さやかって……おばあちゃんの名前だよね?」 僕がそう聞くと、そうだけど?と不思議そうな顔をしたまま封筒の中身を確認してもいいものかと悩んでいた。 「おばあちゃんの本棚からいつものように本を読もうと思って取り出したらそれが出てきて…… 勝手に読んじゃいけないとは思ったんだけど……」 全く……と少し呆れた顔をしながら僕の頭をポンっとして、手紙を持って部屋を出て行った。きっと父のところに相談をしに行ったのだろう。 あの手紙は本当に僕のおばあちゃんが書いたものなのだろうか…… そんなことを考えているとふいに誰かが来る気配がした。 「にぃに、これ読んで」 妹が僕に本を読んでくれと持ってきたのだ。その本は、僕が妹くらいの頃おばあちゃんによく読んでもらった絵本だった。
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