第1章 -僕のおばあちゃん-

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「来夢?どうしたの?難しい顔をして」 「母さん、おばあちゃんってどんな人だった?」 息子が突然何を言い出したのかと、一瞬驚いた顔をした母だったが穏やかな顔でこう答えた。 「笑顔の似合う、優しい人だったわよ。お母さんのことを実の娘のように可愛がってくれたし、あのおばあちゃんが産んで育てたからお父さんも優しい人に育ったんだろうなぁって……」 嬉しそうに懐かしむように空を見上げた母が 「って、何を言い出すの!どうかしたの??」 と不思議そうな顔をして僕を見ている。 勝手に人の手紙を読んでしまったバツの悪さもあり、このまま何でもない~でやり過ごしてしまおうかとも思ったが、母にそんな手が通用しないこともわかっていた僕はそっと差し出した。
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