諦めの境地

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諦めの境地

かくしてユニット名が『最強☆マヨネーズ伝説』になった佐藤樫生と矢張真夜。 だからといってどうにかなるものでもないし、生活に変化はない。 そう思っていた。 ところが、彼らのことは学校中に知れ渡った。 ちょっとちゃんがSNSで広めたからだ。 学園祭でもなぜか歌を歌った。漫才のステージもあった。伊藤が台本を書いてくれた。 それによって砂糖派、塩派、マヨネーズ派に別れてファンがつく。 砂糖派と塩派はもれなく佐藤サイドに。だがやはりマヨネーズは最強だった。男子は全部マヨに持っていかれた。 ーー何だコレは。 ちょっとちゃんの作ったレールの上をひたすら走りながら、佐藤は狐につままれたような気持ちになる。 そして、佐藤と矢張さんの関係も……。 「佐藤くん、大丈夫ですか?」 矢張さんは後ろから肩を揉み揉み。触られるだけで、佐藤は真っ赤になる。顔が見られない位置関係で良かった。砂糖も塩も溶けかねない。 ーーヤバイな。コレは、『やはりカシオ』方面に爆進中だ。
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