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『アドレスありがとう、さっきは突然言って御免なさい。でもあなたと話をしてみたいと思ったのは本当なの。もしよければ、あってくれませんか』
掲示板での口調とは少し変わった、大人びた内容に、新一は思わず驚いてしまう。
議長のような立ち回りをしていた彼女だが、それでも掲示板では比較的幼い口調だった。
だが、ここにあるような大人らしい文章を使うとは思わなかったのだ。
一体どちらが、本当の彼女の口調なのか。
そんなことを考えながら、返事を送る
『別にいいけど、俺金がないから、遠くへはいけないぞ』
返信はすぐさま返ってきた。
流石は女性、と行った所でメールを返す速さがとんでもなく速い。
『大丈夫です、私がそちらへ行きます。場所は東京ですよね?』
『明日から三日間バイトがあるから四日後に渋谷駅で、電話番号入れとくから、なんかあったらここに連絡して ×××-●●●●-◆◆◆◆』
『ありがとうございます。ほんとに近かったんですね。無事で本当によかった』
なにやら本気でこちらを心配するような雰囲気を感じ、なぜそこまで気遣うのかと首を傾げつつ、新一はスマホを充電器に差して寝転がる。
時計は三時を回ろうとしている。
(明日は昼からだし、さっさと寝よう)
瞼を閉じると、新一の意識はあっさりと眠りに落ちて行った。
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