決断

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何だか話がトントン拍子に進んでいく。さっきまでは妊娠の事がバレるのが怖くて誰にも言えず、1人で悩んでいたのに…。 みんな私の大切な人達…。 最初からきちんと相談すれば良かった。 それからは何かとバタバタとした日々を過ごした。 まず、彼の両親にも妊娠の報告をした。かなりビックリされたが、母と彼が真剣に話をしてくれて、私は彼の両親に受け入れられた。今では私と母と彼の母の3人で時々女子会を開いている。 そして、高校を中退した。母のアドバンスもあり、出産して落ち着いたらまた通信制の高校へ通おうと思う。 あと、彼が私の家に引っ越してきた。父は何かと彼にダメ出しやちょっかいを出してくるが、その度に母に叱られている。それが我が家の日常になった。 私のお腹の中では、着々と新しい命が育っている。お腹も大きくなり始め、だいぶ実感が出てきた。 そして ーー 3227gの元気で可愛い女の子の赤ちゃんが私達の元へやってきた。 「慎吾君、莉奈、おめでとう。新米パパとママとして頑張ってね。」 父と母、彼の両親…みんな祝福してくれた。 ありがとう… ありがとう… 感謝の言葉を繰り返し伝えた。 そして、私達の元へ生まれてきてくれてありがとう、赤ちゃん。 たくさんの笑顔に囲まれて、新しい生活が始まった。
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