決断

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「ど、どうしよう…。」 私、生田(いくた) 莉奈(りな)は、現在家のトイレで青ざめていた。 手に持つ妊娠検査薬には、はっきりと陽性反応が出ている。 「まさか…妊娠…?」 生理が遅れていて、身に覚えもあった。でもまさか私が妊娠するなんて…。 普通なら喜ぶべきだが、私はそういう訳にはいかない。何故なら、私はまだ高校2年生なのだ。もちろん学校にも通っている。 頭の中は真っ白でどうして良いか分からない。取り敢えず、妊娠検査薬をトイレットペーパーでぐるぐる巻きにしてトイレを出て自分の部屋に戻る。 部屋に戻ると、ぐるぐる巻きにしたトイレットペーパーの中から妊娠検査薬を取り出して、もう一度確認してみる。 どうか間違いであって…。 しかし、何度見てもやっぱり陽性反応が出ている。 「私のお腹の中に赤ちゃんが…?」 そっと両手をお腹に当てる。お腹の中に新しい命がある。そう思うと私の目からは大粒の涙が溢れてきた。 何で私は泣いているのだろう。 涙の理由が自分でも分からない。 嬉し涙?いや…違う。 後悔の涙?それも違う気がする。 とにかく私は今、どうすべきなのかを泣きながら考え始めた。
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