決断

7/13
前へ
/13ページ
次へ
「少しは落ち着いた?」 ミルクティーを飲みながら心を落ち着けていると、母が隣に座ってきた。父は夕飯の並んだダイニングテーブルで温かいお茶を飲んでいる。 「色々聞いてもいいかな?」 母は微笑みながら私を見る。私はコクンと頷いた。 「彼氏は妊娠の事、知ってるの?」 「ううん。言ってない。」 「どうして?」 「言った後の反応が怖いから…。」 「莉奈の彼氏は妊娠を知ったら、逃げるような人なの?」 「慎ちゃん…彼氏はそんな人じゃない…と思う。」 「じゃあ、ちゃんと莉奈の口から言わなきゃね。これは2人の問題だから、これからどうするかしっかり話し合いなさい。」 「…うん。」 母と話をして、だいぶ落ち着きを取り戻した。 「莉奈は…どうしたいの?お腹の子、産みたい?今回は諦める?」 「私は……産みたいと思ってる。」 私はお腹をさすりながら母に答える。ただ産みたいと思いながらも、私の中には不安しかなかった。 「産みたいって事は、まず高校は辞めなきゃね。それに周りの友達が楽しく遊ぶ中、莉奈の遊ぶ時間は制限されるけど、大丈夫?」 「…うん。」 「出産して育児が始まると、想像以上に大変よ。それでも母親になる覚悟はある?」 「……。」 私は何も言えなかった。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加