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「少しは落ち着いた?」
ミルクティーを飲みながら心を落ち着けていると、母が隣に座ってきた。父は夕飯の並んだダイニングテーブルで温かいお茶を飲んでいる。
「色々聞いてもいいかな?」
母は微笑みながら私を見る。私はコクンと頷いた。
「彼氏は妊娠の事、知ってるの?」
「ううん。言ってない。」
「どうして?」
「言った後の反応が怖いから…。」
「莉奈の彼氏は妊娠を知ったら、逃げるような人なの?」
「慎ちゃん…彼氏はそんな人じゃない…と思う。」
「じゃあ、ちゃんと莉奈の口から言わなきゃね。これは2人の問題だから、これからどうするかしっかり話し合いなさい。」
「…うん。」
母と話をして、だいぶ落ち着きを取り戻した。
「莉奈は…どうしたいの?お腹の子、産みたい?今回は諦める?」
「私は……産みたいと思ってる。」
私はお腹をさすりながら母に答える。ただ産みたいと思いながらも、私の中には不安しかなかった。
「産みたいって事は、まず高校は辞めなきゃね。それに周りの友達が楽しく遊ぶ中、莉奈の遊ぶ時間は制限されるけど、大丈夫?」
「…うん。」
「出産して育児が始まると、想像以上に大変よ。それでも母親になる覚悟はある?」
「……。」
私は何も言えなかった。
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