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「ねぇ、お母さん。今から彼氏を家に呼んで話してもいい?」
時間はもう夜だけど、今ならちゃんと彼と話が出来ると思った。
「莉奈の好きにしなさい。」
「ありがとう。」
私は自分の部屋に戻り、携帯から彼へ電話をかけた。
「もしもし、慎ちゃん?」
「おぅ莉奈、どうした?俺の声が聞きたくなったか?」
「あのさ…急なんだけどさ…今から家に来れないかな?大事な話があるんだけど。」
「いいけど…電話じゃ話せない内容?」
「出来れば慎ちゃんに会って直接話したいの。」
「分かった。今から莉奈の家に行くよ。」
今から彼が家に来る。
私はきちんと話出来るかな。
電話を切って30分くらい時間が経った頃、家の呼び鈴が鳴った。玄関を開けると、汗だくになってる彼がいた。
「どうしたの?汗だくじゃん。」
「大事な話があるっていうから、全力で自転車漕いできた。」
「あ、中入って。」
私は彼を家の中に入れた。そして自分の部屋に行く前にリビングへ立ち寄る。
「お父さん、お母さん。私の彼氏の原田 慎吾君です。」
「初めまして。莉奈さんとお付き合いをさせて頂いてます原田です。こんな時間に突然お邪魔してすみません。」
挨拶をする彼は緊張した様子だった。深々と頭を下げている。
「初めまして、慎吾君。後で部屋に紅茶持っていくわね。」
父は黙って新聞を読んでいたが、母は笑顔で彼を迎えてくれた。
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