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「天人族にみえるが?何で黙ってた?」
優しく、でも追求するかの物言いに反発したくなる。
「オルテもっ!さいしょ、ちがった!はいいろからあおになったっ!」
オルテの顔を見上げると凄く驚いたような表情ででもはにかむように破顔していた。
…ふんっ。お互い様だしっ!
「まさか、気づいていたとは」
「すぐ、きづいたしっ。それに、あおもちがぅ?」
「負けた。完敗だ。…唯一無二の存在になってくれるか?」
「?ボクはほかにぃなぃよ?」
あはは、と笑うオルテの腕から解放されたが、太股が気になり身を縮込める。
オルテが傍らにおいていたショールを下肢に巻き付けてくれる。
立ち上がりクルリと回ってみる。ふわりと三重に巻かれ、透けることもなく軽やかに風にそよいでいる。
ほっと安心し腰を下ろそうとして芝の上だと葉に擦れて汚れるのではと躊躇する。
オルテが立ち上がり空を薙ぐとそこから外套を取り出した。
…うわぁ~もろ魔法だっ。
バサリと芝の上に外套を広げ、チサキに座るよう促す。
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