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恐る恐る素足で外套に座り込む。オルテも座り寝転がってチサキの膝に頭を乗せてきた。
「ぅえっ!」
「少し寝る。」
オルテの寝息が聞こえてきた。
…起こさないように風呂敷を手繰り寄せ中から蜘蛛の糸と鍵針、それに巾着に入れていた見る角度によって黒や白に見える石を取り出した。
糸でレースを編み石を包んでいく。段数を間違わないように丁寧に形よく…石の部分を完成させ、次は首に提げる紐に取りかかる。
所々幅を替え長い紐部分が編み上がり、石の部分をしっかりと繋げる。
…なかなか、いい感じ!
次はショール…ドビー織の黒い布地を広げ、フリンジを作るため、切り口を揃えるためにも横糸を10センチほど抜いていく。
布がオルテの顔を掠めるが起きる気配無いため構う事なく等間隔に縦糸をまとめて括るのを繰り返し、完成させた。
両手で持ち上げ風にフリンジをそよがせる。
…うん。片寄りなくてバランスいい!
ショールをたたんで脇に置き、手元に残ったほどいた横糸を手に悩み、取り敢えず五本ずつ束ねてみる。
それから風呂敷の中にあった裁縫道具の中から白い綿の手縫い糸を取り出し数本束ねて太さを確認し、横糸の長さに切り揃える。
…なんとかなりそうだ。
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