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他の大樹の元で休んでいた人々も辺りが暗くなり始め立ち去りつつある。
立ち上がり、気がついた。
…靴が履けない。
「…くつ…」
「抱っこするか?」
体格差が若干だが縮まった今、昨日のように簡単には抱き抱えられないのではと思いつつ、頷き返す。
荷物を風呂敷に包み、外套から降りてディコを呼び戻す。
降りてきたディコをどうしようかと思っていたらオルテの腰にぶら下がっていたコウモリが飛び立ち、後を追うようにディコもついていった。
「いいの?」
「あぁ、二匹して森の木の蜜を食べに行ったんだろ。遠くにいても呼んだら戻ってくる。問題ない基本夜行性だ」
外套を空間にしまい、風呂敷を背負ったチサキをひょいと片腕に抱え上げた。
前まではオルテの首辺りに顔の高さがきていたのに今はオルテの顔を少し見下ろす位置だ。
「お、おもくなぃ?だぃじょうぶ?」
「倍に太っても大丈夫だ」
無理してるのではと不安になり声をかけたが無用だったようだ。
…絶対、縦に成長してやるっ。
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