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バザールで靴を見繕ってもらった。
履きやすく爪先が覆われ、甲は大きくクロスされたベルトが特徴の茶色い皮のサンダル。
低めの椅子に座ったチサキの足に店主が触れようとした時のオルテの行動を思い出し笑いしてしまう。
…まさかのガードにお店の人も苦笑いしてた。
購入後オルテはそのまま抱っこを続けようとしたのだが抱えられた腕の上で大暴れしたら折れてくれた。
…さすがに街中で理由なく抱っこは恥ずかしい。
小人族の幼女の時には感じなかった視線が突き刺さるようなものに変わりいたたまれなかったのもある。
…オルテかっこいいから、僕がだっこされてたら、釣り合わないって、きっと見られてだんだよね。
実際にはお互い視線を集めていたのだがチサキは気づかない。
しげしげとほの暗いレストランの照明に照らされたオルテを見つめる。
「何か付いているか?」
ナイフとフォークを持つ目の前のオルテに弛く首をふる。
「…楽しかったなって…」
晩御飯は港から市内に入った所にある隠れ家的なレストラン。
柔らかいお肉に舌鼓を打ちながらこの二日間を振り返りうつ向いてしまう。
静かに時間が流れ食事を終える。
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