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明日はもう、さよならだ。
「あした、あえる?」
「あぁ、そうだな…」
静かに頷くオルテに微笑み返す。
店内だけど触れたくなって手をオルテの方へ伸ばす。
優しく握り込まれ、そっとキスをされた。
…う、うわぁっ
穴が空くほど凝視していたチサキと目を合わせたまま顔が近づいてきて、額に頬に、唇に口づけされた。
隣同士で座っていたから腰を抱かれそのまま厚みのある胸板に倒れ込んでしまう。
右耳が強く脈打つオルテの心臓の音を捉え不思議と体の力が抜けていく。
ぐいっと体が持ち上げられたかと思うと
グァヂッ
「ひっうぅ!?」
うなじに思いっきり噛みつかれた。
完全に無防備な状態での襲撃に、痛みより驚きが先にくる。
「へっ?な、なに?」
手をやるとぬるりとした生暖かい血が流れ出て、深く噛まれた痕が出来ているのが分かる。
ビクッビクッ
「うゥ、ぁッ…」
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