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新入生各部活動紹介の翌日。
高校生活初の授業を受け終わり放課後、伊音と健一郎はさっそく吹奏楽部の部室ー第1音楽室に来ていた。
音楽室のドアには3人ほど女子生徒が立ち、吹奏楽部の宣伝をしていた。
「なんつーか、けっこう勧誘活動盛んなのな。」
健一郎は感心したように呟いた。
「まあ、人数少ないと部活にならないからな。」
健一郎はキョトンとした顔で言葉を発した伊音を見た。
「吹部はいろんな楽器を演奏して曲を演奏する。単純な楽器数だけで言えば40種類以上はあるんじゃないか?特に打楽器は1人で数種類の楽器を演奏することもあるけど、管楽器や弦楽器は多くの場合、1人1種類の楽器を演奏する。しかもハーモニーを作るには同じ楽器でも数人必要なこともある。
…一般的に人数が多い方がコンクールも有利になりやすい。最近では少子化も進んでいて強豪校でない学校は特に人数減少は深刻な問題なんだ。」
伊音が一度言葉を切り前方を見ると、女子生徒たちが自分たち2人のもとに突進(少なくとも伊音にはそう見えた)してきていた。
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