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「ーみなさんも、私達と一生懸命部活、やってみませんか?」
ー場を完全に支配した笑みだった。
ほとんど生徒が彼女に心をつかまれている中、隣の女子生徒が慌てて話し始める。
「かっ、勧誘期間は第1音楽室で練習しています、ぜひ来てくだしゃいっ。」
ーどっと笑いが起こる。先程までの妙な緊張感が一気に拡散してほのぼのとした空気が流れる。噛んだ生徒は真っ赤な顔だ。
遠くからみるとよくわからなかったが、かなりの美少女だ。ぱっちりとした目が恥ずかしさからか少し潤んでいる。
先程まで話していた黒髪ロングの生徒ー多くの生徒と同様に笑っていたーはマイクを持ち直した。
「ごめんね、この子あがり症で。でもそれくらい新入生に来て欲しいって気持ちが強いんだ。だから経験者も初心者も一度は来てくれると嬉しいな。」
さらっとフォローしてマイクを下ろした彼女は真面目な顔つきになった。
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