44人が本棚に入れています
本棚に追加
机に突っ伏す彼が少々可哀想になって伊音はわざと優しく声をかける。
「次で挽回すれば大丈夫だよ。それに、今から部活動紹介始まるぞ。もうみんな移動してるし。」
伊音は健一郎を慰めて教室を見回す。
先程までテスト後の開放感で騒がしかった教室も、もはや数人しか残っていない。
「まじで?それは楽しみだ。」
勢いよく立ち上がった健一郎はさっきまでの鬱々とした雰囲気はどこへやら、一転して期待に目を輝かせていた。
ーこういうポジティブなところが健一郎のいいところなんだろうな。
わかりやすく顔に書いてあるワクワク感を横目に伊音は苦笑しつつ、2日目にして早くも友人の性格を掴み始めていた。
最初のコメントを投稿しよう!