スクリーン

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スクリーン

吸い込む。 まわりの 空気は 冷めている。 息を 吸い込む度、哀しくなる、氷の白 冷たい、この フィールドで 私の黒いマントを、鋭く 強くなびかせる。 強い風が、、 奪い取るように、、 襟元に結んだ。革の紐が ほどけて、、 空のスクリーンに吹き上がり ひろがる、黒いマント 脱ぎ捨てた訳ではない、けれど。 何故か。惜しいとも思わなかった。 絡み付く、黒いマントは、、 私を、守ってくれるが、 自由に 動く事が 出来ないから。 風に吹き上がる、黒いマントを その姿を 途方もなく何処かへ流れて行けばいい・・ 何て考えが、よぎる。 この空の スクリーンに黒いマントが、抜けて行く。 時に広がり、そして、まわり なびきながら 風が連れていく。 あれは、私の重たい荷物、 空のスクリーンに、写し出して。消えた。 氷の白き息、吐きながら、眺める。 相変わらず 吸い込む空気は、冷めている、 けれど 私を、守っていた。黒いマントは もう、持ち合わせていないから。 身軽になった。 空のスクリーン 私を、自由に 写してほしい、ドキドキと 胸を踊らせ、自由に、写して欲しい・・・ そう願う。
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