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毎日ほとんど欠かさずに通院して、妊娠発覚した日から、なんとか4ヶ月が経った。
順調ならば、出産予定日直前というところだろうか。
ところで今更だが、俺の場合あの時、どこから数えて6ヶ月と診断して、今が十月十日に至るのか???
まぁ、ここまで来たら、もうそんな事はどうでも良くなったけれど…。
そんな事を考えながら、俺は診察台の上に寝て、主治医の診察を受けていた。先生は初診の時と同じく、お腹に聴診器を当てて音を少し聞くだけだった。
本当に、それで一体何が分かると言うのか…。
そして先生はまた爆弾発言をした。
「隼さん、今日これから出産しましょう」
なんだってー?!
おいおいおい、出産ってなんだ!普通はあれだろ、ほら、陣痛!そう陣痛とかあるんだろ?あとは破水とかなんとか。
……その前に、俺の子供はどこから出てくるんだー!!!
え?やっぱり腹を切るの?それとも、ま、股を切るとか?!
いやいや、その前に、出産って、はい、これからしましょう!ってするもんじゃないだろう!
俺が初診の時と同じように、パニックで脳内一人漫才をしていると、先生は俺にお構い無しで、なにやら作業を進めていて、俺は腕を取られて注射を打たれた。
俺、これからどうなっちゃうのよ…
そして、俺のお腹の中の子は?
そこから俺の意識は遠のいて行った。
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