ねぇ、毎月3万貸して?

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ねぇ、毎月3万貸して?

「ねぇ、お金貸して!!!」 今月も彼女の取り立てが始まった。 付き合ってもうすぐ1年になる彼女に、何も言わず3万を渡す。これが付き合い始める時の彼女からの、条件だった。毎月給料日翌日に現金で彼女に渡す。金に困ってる訳ではなかったので、特に何も思わなかった。 彼女とは合コンで知り合い、幾度かのデートを重ねて俺から告白した。彼女は明るく、時々天然っぽい所があるが、意外としっかりしている一面もあり、そこが彼女の魅力だった。 付き合う前には、いろんな所へ行きデートを重ねた。 「私、電車苦手なんだよね」 デートの帰り道、彼女が言った。 「せっかく楽しかった時間も終わって帰る時って、人が多くて疲れるじゃん。それにヒールなんて履いてったら、足パンパンよ」 「そうか、俺は気にしないけど」 「そういう所あるよね、あなたって。ちょっと抜けてるっていうか、鈍感というか」 「そうか?そんな事ないと思うけど」 「前からそう。興味ない事には一切関心示さないし、お金も使わない」 「当たり前じゃん!興味ない事にはお金使わないだろう、普通」 「そういう事じゃなくて、もう。わからないかなぁー」 そんな会話をした後、俺らは付き合い出した。     
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