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「お前と別れたい。」
私はその一言で持っていたフォークとナイフを置いて顔をあげた。
「…お前は俺を頼ってくれなかった。デートの時も自分で決めて、金も少し多めに出されてリードされていた。そりゃ、俺はお前より歳は下だけど甘えて欲しかった。」
「………クスッ」
私は笑いが溢れた。彼は驚いていた。
「…他に女が出来たならそう言いなさい。だらだら言い訳みたいに言わなくていいの。」
「確かに出来たがその言い方も腹が立つよ。」
「そう?…話は終わった?じゃっ、帰るわ。代金は貴方が払ってね。」
私は彼を見ないまま席を立ってその場を去った。後ろから声が聞こえたが止まらなかった。
別れ話は予想がついてた。ある意味仕返しだ。彼にはあそこの代金は払えないのだ…。
でも代金は請求書の間に実は半分入れて置いたのだ。それが私の見栄だった。
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