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 恐らくは、両角は恋愛に一切関心がないばかりか、女子自体を余り好意的に見ていないのだろう。逆に、両角が普通に接してくれる自分は何なのか、ちょっぴり反発を覚えた三輪だった。  両角から一瞬あらぬ方へと視線を飛ばし、三輪が憂鬱なため息をつく。 「プログラミング研究課の男子は、みんな何げにイケメンなんだから。あたしがクラスで浮くのも、みんなと……」  そこで三輪は、言葉の続きを呑みこんだ。  不思議そうな顔で棒立ちの両角を一瞥して、三輪はうつむき加減に首を横に振る。 「……ごめんね。今のは忘れて、両角くん」  はあ、と大きく吐息をつき、三輪は再び顔を上げた。  気分も話も切り替えるつもりで、三輪は両角を正視する。 「それはそうと、両角くん、これからまた道場で空手?」  話題が換わり、両角は軽く頭を振って向き直った。  ようやく普段の不敵な笑みを三輪に見せつつ、両角がうなずく。 「ああ、まあな。昇段試験がもうすぐだからな。稽古に行ってくる」  剛直な表情でそう答え、彼が申し訳なさそうに左の手刀で彼女に謝る。 「今日も化学室には行けねえけど、ホント悪い。次は出る」 「気にしなくていいから。両角くんは、道場の“期待の星”なんでしょ? それに今日は特に活動はないし」  好意的に応え、三輪は屈託のない笑顔を見せる。 「でも両角くん、すごい鍛えてるね。うちの方も頑張ってくれて、本当すごいよ」     
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