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「優美」
「……え?」
カップを落としそうになる。今、下の名前で呼んだ?
一平君はしかし真顔で、初めて呼び捨てされて戸惑う私をじっと見据える。ジンジャーティーの効果か、全身が火照ってきた。
「昨夜は、悪かった。君の言葉に動揺して、つい理性を失ってしまった。もう大丈夫だから、聞かせてくれないか」
「一平君」
いつもの冷静な一平君だ。でも、何かが違う。
「私こそ、ごめんなさい」
ちょっと上ずった声が恥ずかしい。
でも、必死の思いで打ち明けた。一平君を好きになった理由を。
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