第3話 千里の弱点。

2/5

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
「ねぇ、あかね。 笑わないで聞いてくれる?」 千里が言うとあかねはこう言った。 「ん?急にどうしたの?千里が珍しく 私に聞くなんて。」 あかねはびっくりした表情で言った。 「あはは…実はね、 私には弱点があるんだ…。」 「弱点?ゴリラに撃たれるとか? ハッ!まさかニワトリに食われるとか? 落とし穴に落ちるとか?」 あかねは訳の分からない事を言っている。 「違うよ、私の弱点は…、 喧嘩が弱いんだ。」 「珍しい。私、 てっきり喧嘩が強いかと 思ったよ。まさかさっきの変態人間がいた時は、 強かったんでしょ?」 「確かに…。でも私が小学4年生の時に、 いじめがあって、それで私、 どうすればいいのか分からなくて、 みんな私の事を崖から突き落としたいのかも。 でも私は正直に言うと私は人間不信だった。 もう辛い人生は嫌だった。 だから…。」 千里は自分が人間不信だと思い込んでいた。 そしてあかねは千里に優しくこう話した。 「大丈夫…私は千里の味方だから。 だから千里は人間不信何かじゃないよ。 私がいるから心配しないで。 素直な気持ちになりなさい。」   あかねがそう言うと千里の涙が溢れて来た。 「ほら、泣かないで。」 あかねがハンカチを出して千里の涙を吹いた。 そして千里はまたニッコリ笑った。 「ありがとう、あかね。 こんな私だけどよろしくね。」 「うん、よろしく。」 二人は握手をして優しく抱きしめた。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加