第1話 彼に会いたい。

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【小泉家】 「はぁ~…何かやる事がない。」 千里は回転する椅子をクルクル回しながら言う。 「千里ー!今日は日曜日なんだから、 たまには出掛けたらどうなの?」 リビングから母親の声が聞こえたけど、 千里は部屋から一歩も出ようとしない。 「え~っ…私、今日そんな気分じゃないから、 出掛けない。」 千里が言うと母親はわざとこう言った。 「あら、今日はみんなでおばあちゃん家に、 遊びに行くのに千里だけ家で留守番だよ。 いいの~♪」 母親が言うと千里はこう言った。 「えっ?おばあちゃん家?! 行きたい!行きたい!」 母親はニヤリと笑って作戦大成功。 「やっと降りてきたね、 早く、朝ごはん食べなさい。」 母親がそう言うと千里は椅子に座って 朝ご飯を食べ始めた。 「ねぇ、お母さん。お父さんは?」 千里が母親に質問をすると母親はこう言った。 「お父さんは今日、お仕事が忙しいから、 なかなか家に帰って来れないんだ。 でも仕方ないでしょ?」 母親がそう言うと千里はお父さんに会ってない。 「そうだね、ごちそうさま。」 「あら、もういいの?」 「うん。」 千里は食べた食器を台所に置いた。
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