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【原宿】
「着いたよ!」
「ハァ…ハァ…千里って本当に足が速いね。
私、体力が無いから早く走れないんだ。」
あかねは息を切らした声で言った。
「あっ、ごめ~ん、あかね。
でもこれを見て!」
千里は109のお店に飾る巨大ポスターを
指を指していたのは
ファッションモデルが載っていた。
「あっ、この人どっかで見た事がある!」
あかねがそう言うと千里はこう言った。
「そう、彼女はファッションモデルで、
大活躍中で引っ張りだこでとても
人気で有名なんだよ。」
「すごいね。千里が前に付き合っていた、
光輝も好きだったのかな?」
「光輝…。」
千里が付き合っていた大倉光輝は
毎日一緒に学校で登校していた。
でも光輝は教室でいじめがあって、
交差点で自殺をしていた。
受験生が自殺したらもったいない。
「私…光輝と付き合ってからは、
たくさん会話をしていた。
でも私の目の前で光輝がいじめに合って、
私はどうすればいいのか分からなくて…。
それで光輝が「一緒に結婚しよ」って、
約束したけれど結局、叶わなかった…。」
千里が光輝の事を思い出すたびに
涙が溢れて止まらなくなった。
「千里…泣いたらダメだよ。
ここは笑顔にならないと光輝くんが
天国で悲しんじゃうよ。」
あかねは千里の頭を優しく撫でた。
そしてそっと抱きしめた。
「うん…あかね…ありがとう…。
そうだよね…光輝もきっと私を
見守ってくれているはず。
私…光輝の分まで生きていくよ。
だから私、
あかねに迷惑をかけるかも
しれないけどそれでもいい?」
千里がそう言うとあかねはうなずいた。
「あったり前じゃない。
私は千里に迷惑何てかけていないし、
全然大丈夫だよ。だから私の事は
気にしないで迷惑かけてもいいよ。」
あかねがそう言うと千里はもう一度
あかねを抱きしめてさらに涙が込み上げて来た。
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