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「係員たちが出て行って、外から鍵が掛けられました。一人になると、私は部屋を見渡しました。ベッドは上等そのもので、一流ホテル「レヴォントゥレット」でもこんなに立派ではないだろうと思いました。でも、二重扉に蓋をされた窓と、部屋の作りはまるで監獄で、そのちぐはぐさに私は戸惑いました」
「抱いている「ボール」は両腕を使って抱え込まないといけないほどで、しかも冷たい。だんだんお腹の皮膚の感覚がなくなってきます。母が「女の子は体を冷やしたらいけないよ」と言っていたのを思い出しました。訓練のおかげで体力と筋肉がついていたから良いものの、そうでなければ何かの病気になっていたでしょう」
「何時間経ったのか、意識がぼんやりとして半ば眠っているような状態になっていた時、ドアが開きました。食事の時間だと言うのです。私は服を着て食堂に行きました。入ってきた人たちは検査器具のようなものを持っていました。きっと私が食事をしている間、「ボール」をチェックするのでしょう」
「食堂には仲間が集まっていました。みんな蒼い顔しています。みんな「ボール」を抱いていたのです。みんなでこの奇妙な命令について話し合いました。色んな見解が出ましたよ。ある子は、命令に従順かどうか私たちをテストしているのだと言いました。魔法学校出身のエリサベトは、あのボールからは特殊な周波数の魔力波が出ていて、それを浴び続けることで人工的に魔力を増強させようとしているのだと言いました。魔法兵ではなく飛行士になろうとしている私たちに、そんな必要はまったくないはずですが」
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