『主と私 SP編』

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3 普段の先生なら そのまま 仕事部屋に戻り 執筆を始めるのに 今日に限って 何かを察知したのか 料理を作る 私の背後をウロウロして 隣に並び 「あきら、コレ 味見しても良いか?」と聞いてくる 最初は味見させてたけれど 段々とその回数が 増えていき 「先生…いい加減にしてください。 料理が進まないです。」 私が少し怒ると 「ごめん…美味しそうだから 食べたくなって…」 シュンとしてしまう その姿が可愛いから 「明日、ちゃんと食べられますから… 今日は我慢してください。 今日はこれではなく 夕飯作りますので 出来たら声かけますね?」と言うと 「えっ? 今夜は食べられないのか…」 そう言いながら、 トボトボと 仕事部屋へと戻っていく…先生 その背中を見ながら 心の中で 『ごめんなさい…』と謝った… ………
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