『主と私』

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……… 黙々と食べてる(すめらぎ)先生に 私は言った 「先生はデリカシーが無さすぎます…」 「はぁ…ココは俺の家だ… あきらは家政婦だろ? お前に気を遣ってられるか?」 「でも…もうちょっと 私を…」 「あきら、 お前…数ヶ月…俺を騙してたよな?」 先生は箸を止めた 「それは…前にも話した通り 家の事情もあって どうしても働かなきゃならなくて 紹介してもらった雇い主 つまり… 先生が女嫌いって聞いたから…」 「あきら、髪…長かったんだろ? 伸ばせよ? 俺のせいで悪かったな。」 うっ…話が飛んでるし 「先生…それって… どういうことですか?」 「どういうことって 言葉の通りだ… あきらは 長い方が似合うと思う… ただそれだけだ…」 先生はまた食事を始めた… 先生は狡い… 言葉が足りないから 変な解釈をしてしまう… ほんの少しは 私のこと女として見てくれるって… 錯覚を起こしてしまう… ………
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