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………
変な期待を持たせてはいけない…
突き放さないとって
思うけれど
逆に空回りしてしまう…
あきらに
俺と同じ思いをさせたら…
酷い男だな…
隣で笑って話す
あきらの表情を壊したら
そう思ったら
心の奥深くがズキズキと
痛くなって来た…
俺があきらを傷つける前に
どうにかしないと…
お昼をすませてから
動物を見て回っているのに
「あきら…帰ろう…」と言った
明るかった表情が
くもり始め
「先生…調子悪いですか?」
あきらが心配そうに聞いてきた
「いや…ちょっと…」
クラッと体がフラついた
「先生!」
あきらに名前を呼ばれた所までは
覚えている…
……
…
気がつくと
俺は横になっていた
「…先生?」
目を潤ませた
あきらが俺のことを見つめていた
「ごめん…」
あきらに謝ると同時に
「ごめんなさい…
もしかして…無理させましたよね?
執筆の後で
睡眠不足だったんじゃないんですか?」
あきらの言う通りだった…
でも…そんなのはいつものことだ
「本当に…ごめんなさい。」
そう言って…
あきらの目から涙が溢れ落ちた…
………
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