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そうして、ゆっくり”ぬくもり”を満喫してお会計を済ます。
「いやぁ、”ぬくもり”良いですね」
「ありがとうございます」
「よくこんなことを始めようと考えましたね」
「…実はエアコンが壊れてそのままなんです」はい?
「なので仕方なくこれで営業しています」
「えっ、業者に連絡すれば治るでしょう」
「はい、…お恥ずかしい話ですがその業者というのがいつの間にか潰れてしまっていまして…」
「…つまり、どこに連絡すればいいのか分からないと?」
「はい…」
なんだ、そういうことか。しかし、それなら丁度いい。
「実は私、セールスマンでして…」そう言い名刺を差し出す。
「そうなんですか」名刺を受け取った彼女は少し安堵の表情を浮かべた。
「ここのエアコンは古くて電気代が掛かりそうなのでエアコンを買い替えてしまったほうがいいでしょう」その言葉に彼女は顔を暗くする。
「あの、高かったりするのではないでしょうか?」
「いやいや、電気代を何年も高いまま払い続けるほうが結果的に高く付くんですよ」
「そうなんですか?」
「あ、じゃあ資料を用意しますね」そう言って私は鞄から
巨大冷凍庫の資料を取り出したのだった。
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