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えぇー………
暑い…。
何せ今朝のニュースで”この夏一番の暑さ”と言っていた。殺人的な熱線の降り注ぐ上に日本一暑いと有名な土地で営業の仕事に出るっていう地獄に駆り出された。
「…いつか辞めてやる」会社に未練は無い。…が、もうちょっとお金を貯めてからゆっくり職を探してやる。
そんな一生辞めなさそうなフラグを丁寧に構築しつつ、街を徘徊する。
別に仕事を頑張ろうと思ってはいない。適当に涼しそうな所に営業と言って休めばいいとしか考えてないのだ。こんな暑い日に外を歩き回りたくないし、今月のノルマももう少しで達成しそうなので急ぐ必要は無いのだ。
そういうわけで大きな川の近くの桜並木を歩く。木陰は涼しいのではないかという浅はかな考えは かげろうが立ち昇る路地を見て心をバールのようなものでズタズタにされた。
その為、歩く気持ちを削がれてもう進めない。立ち止まる。余計に熱い。
ダメだ、この辺に休める場所は…。
ふと、路地の揺らめいている先に のぼりがあった。それには”コーヒー”の文字が。
「やった、ここにしよう」
たまにコーヒーの豆だけ売っているなんて罠もあるのだが、大体は喫茶店のはずだ。
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