エピソード0 銀と黒の交わり

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「うわぁーーんっ…こわいよう(泣)」 暗い暗い森に幼子の泣き声が響き渡っていた。 ガサッ  ガササッっ 「うっ…うっっ…なに?」 ビクッ 茂みが揺れる音とその音に混じって獣の唸り声が聞こえる。 グルるるるるーーー ガサっ! 「うわーーーんっ!!!狼だよー!!!」 「誰か助けてーー!!」 踵を返しダダーと駆ける。 狼はわかっているのか、ゆっくりと獲物を追い詰めるべく近づいてくる。 はぁはぁ息を上げながら森の中を駆ける。が、如何せん地の利は狼に有りジワジワと距離を縮めてきた。 走っている内に小さな足はもつれてしまい、盛大に転んだ。 非常事態だ。痛いなんて言っていられない。 食べられちゃうんだと思った瞬間…まだ死にたくないと強く思い、手近な折れた枝を掴み泣きたいのを我慢して狼に対峙する。 枝を掴む手はカクカクと恐怖に震えが止まらない。 視界も自身の涙でさえぎられ、ぼんやりとする。
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