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ガサガサッ。
再びビクッと体に緊張がはしる。
が、先程の茂みから姿を現したのは銀色髪の少年だった。
何もなかったように私の前に座り込んで、ポケットから出した白いハンカチで顔を拭ってくれた。
全身をくまなくみて
『よし。怪我はないな。』
その一言に安堵したのかポロポロ涙はとめどなく流れた。
「…あ。あり…かとう。」
『別に。お前を助けたわけじゃないから気にするな。あと、人間に名乗る名は持ち合わせていない。これもまた戯れだ。』
ぶっきらぼうに語る少年。その間も服の汚れを払ってあげたりしている。
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