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『ガキがこんな所で何をしている。さっさと帰れ。』
「…迷って帰れない…。」
しばし沈黙
先に沈黙を破ったのは少年だ。
『ん。これをやる』
自分の首から下げていた黒いペンダントをつけてくれた。
『これは、転移の呪が編み込まれたペンダントだ。行ったことのある場所へ一瞬で行けるものだ。これで村に帰れ。』
「ありがとう。お礼がしたいから…一緒に来て?」
『戯れだと言っただろ? 俺様が人に物をやるのは珍しいんだぞ? タダでありがたくもらっとけ。もう会うこともないだろ、じゃあな。』
「じゃあ、どうしたら会えるの?」
『お前にはムリだろ。小娘だしな。俺様は力の上に君臨するものだ(近いうちにな)再会が望みならば…誰にも負けないくらい強くなればいい。あるいは会えるかもな。』
ペンダントを握りしめさせて
『ほら。家を、村を強く思い浮かべてみろ。帰れる。』
「ありがとう! 強くなって絶対に会いに行くから!」
其れだけを言って少女の体は闇に消えていった。
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