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しかし、次の言葉を聞いた瞬間、ホームレスの目の色が変わった。
「そうですか。その七面鳥には『3億』の懸賞金がかけられているんですけどねぇ」
「――どうぞ、持っていってください」
……え?
ベンチの裏から持ち上げられ、差し出される吾輩。そのまま一瞬で、オリの中。
格子の隙間から見えた小切手を受け取るホームレスは、吾輩が寄り添ってやっていたときよりもはるかに至福に満ちた表情を浮かべていた。
「……七面鳥とかいうパチモンじゃなく、また本物のニワトリたちと一緒に暮らせるんだ」
ホームレス、お前ぇぇぇっ!
怒りを叫び散らし、一発蹴ってやろうと格子に突進する。
だが、その程度でオリが壊れるはずもなく、吾輩と満面の笑みのホームレスとの距離はみるみる離されていく。
もう、吾輩はただ嫌がらせのように鳴き続けることしかできなかった。
――吾輩は七面鳥である。名前は『ローストターキー』である。
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