色彩 3

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そこから見る景色は、上から見た時よりも一層輝いて見えた。 立体感というか現実味があるというのが正しいか、部員たちの汗や表情がより細部まで見えるようになり、自分もその世界の中にいるのだとあらためて思い知らされる。 「ねぇきみ!サッカーのマネージャーとか興味ない!?」 「うわぁ!?」 玄関から出たばかりだというのに、さっそく声を掛けられる。 気が付くと横にいたはずの二人は少し後ろから様子をうかがっていて、まるで私が実験台にでもされたようだった。ずるいぞ二人とも、、、 「確かに似合いそうじゃん。やってみれば?」 「へ!?えっとぉ、、まだ全部見れてないので、お時間いただいてもいいですか?」 「おっけー!いつでもおいで~」 優しい先輩で助かった、、もし違う人だったら入部届とついでにお金とかまで取られていたかもしれない。そう身の危険を勝手に感じながら悪ノリしてきた恵をにらむと、いつの間にか恵も勧誘の餌食になっていた。 「いやぁー、、、完全になめてたね」 一度玄関の中に移動(もとい避難)し、息を整える。 どうやら勧誘ができる場所は定められているらしく、当然校庭にいる人たちだけが全てではない。それでも前に進むのがやっとというあの人だかりは、さすがとしか言えなかった。 「よし、、、じゃあ中の部活も見にいこっか!」 「え、もう!?まだ外で10歩くらいしか歩いてないよ!?」 「少し時間がたてば人も減るんじゃないかな!それにほら、、私の身長だと息が、、」 「あ、そっか、、、じゃあ適当に歩いてみる?」 「ちょっとは否定するか慰めるかしてくれよ!」 そういいながら恵は、あのパンパンの鞄の奥底から一枚の紙を引っ張り出した。それは入学式にもらった学校のしおりで、そこには学校の見取り図や部活のことまで細かく書かれていた。 それを頼りに、右へ左へと足を進めていく。学校の敷地も広いがそのぶん部活の数も膨大なので、地図を見なくても何かしらの部活にたどり着くのがなかなかに面白い。 そのたびに勧誘や部活の説明を受けるのだが、イマイチしっくりくるものは見つからなかった。いや、いまだ抱えている矛盾のせいで、どこか上の空といったほうが正しいだろうか。 「そういえば、二人はなにか部活やってたの?」
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